バーンスリー奏者への第一歩

ラームラーム。バラナシは一気に暑くなってきた。とはいっても20度台後半なんだけど、日差しのせいかめっちゃ暑く感じる。1ヶ月前はデリーで凍えてたのが嘘みたいだ〜。

パフォーミングアーツ学部。

バーンスリー(インドの竹笛)を習いたくて、同級生と一緒にディプロマコースを申し込んだ。サークルがない代わりに、みんなヨガや古典ダンスや歌など、何かしらのディプロマコースに申し込んでいる模様。

外国人は5%の留保枠があるので追加料金さえ払えば大体のコースはフリーパス。ヒンディー語科に入る時も教授と簡単な面接があった程度だった。

こういうザル制度なので、ジェネラルカーストの同級生に「いいな〜外国人は枠があって〜俺たちは競争率が高くて大変なんだわ〜」とよく言われるので若干申し訳ない感じになる(留保枠で入ってる低いカーストの子たちもこういう思いをしているのかしら)。

パフォーミング・アーツ学部前でたむろしていたら、一緒に申し込んでいた同級生がテストに呼ばれた。がんばってねー!なんて他人事でエールを送っていたら、、、、「面接があるのであなたも来てください」とのこと。

えー🧟‍♀️🧟‍♀️🧟‍♀️🧟‍♀️🧟‍♀️外国人はフリーパスじゃないんじゃないんですか、、、、余裕ぶっこいていたのでバーンスリーも何も持ってきてないよ、、、!

手ぶらでいいからと言われよくわからん部屋に連れてかれる。何やるんだと聞いたら「グルジーが来るから待ってなさい」とのこと。高まる緊張!

しばらくしてグルジー登場。グルジーとは言っても見るからに同世代。これはやる気を見せればなんとかなるだろ〜と突然根拠のない自信が出てくる私。 

自己紹介タイムもそこそこに面接が始まる。

グルジー「aapke guru ji koun hain?(あなたが師事している師匠は誰ですか)」

私「YouTubeです」

笑いを堪えるグルジーとその弟子達。ここはどう取り繕ってもバレると思い、インドに来たばかりということと、インド音楽経験皆無ということを伝える。でもがんばります(にっこり)!みたいな感じで乗り切ろうと試みる。

しかしやる気アピールもインドで奮闘してる外国人アピールも通じないグルジー。「本当に何も音楽習ったことないのか?(信じられないみたいな顔)」と何度も聞かれる。「ないです!」と開き直る私。(後から気づいたけど子どもの時ピアノ習ってたからそれ言えばよかった。完全に忘れてた〜。)

困り果てたグルジー「じゃあヒンディー語の歌を歌ってください。」

私「(ええええええええ)」

とても逃げられそうになかったので、唯一歌詞を覚えていた”हम होंगे कामयाब“の一番を歌う。フー。これでいいだろ〜と思っていたのも束の間、次は日本語の歌を歌うように言われる。

音痴だし歌興味ないし、カラオケも酒に集中するか踊り狂うかしかしないので、まじで歌える曲がない。

「いや、、、歌詞を覚えてなくて、、、」とモジモジする私。グルジー「自分の国の歌くらいちゃんと習得しておかないとダメだ」とお説教モードに。だんだん、何かしら歌わないと合格はおろか家にすら帰してもらえなさそうな雰囲気になってくる。。

困り果てた私、ええいこれなら覚えてるぞと思い、最終手段の君が代を歌う。インドの歌謡からはかけ離れた哀愁漂う低いトーン。目の前のグルジー、どうしたらいいかよく分からないような顔になっていく。はるばるインドまで来て私は何やってんだろうと思いつつ歌い切る。

ヒンディー語も日本語も歌ったんだから、もうこれで解放!と思ったら、どこからか得体の知らないバーンスリー登場🧟‍♀️🧟‍♀️🧟‍♀️🧟‍♀️🧟‍♀️「吹け」とのこと。このご時世に、誰が口付けたんだかよくわからんバーンスリーを吹かされる。おえー。

サレガマパダニサ、サニダパマガレサと吹いてなんとか合格。こんなんだったら最初からバーンスリーだけのテストで良かったじゃんかよー。無駄に歌を歌わされた気分じゃ。

その後も友達を待ちつつ他のインド人志望者の様子観察。ディプロマコースなのに、既にめちゃくちゃ上手い人が多かった。学外からの志望者も割といて、既に実力はあるけど箔をつけるために来るらしい。

私の同級生はतेरी मेरीを吹いていた。私と同じくらいバーンスリーのできないインド人のおじさんは門前払いされていた。。歌を歌わされている人は他にいなかった。まじなんなんだ。。

待ち時間が長くて、昼間なのに酔っ払いに絡まれたり、アルナーチャルから来た学生と知り合えたり、いろんな専攻の子達と話す機会ができて楽しかった!コースが始まったら色々と友達できそうで楽しみ〜💕

その後は同級生達とキャンパス内をうろうろ。今日初めて会った子達も。

牛に追いかけられたり、最近再開した売店で30ルピーのコーヒーフロート飲んだりサモサ食べたりした。当たり前のように全員分払う男子学生と、何も言わずに当たり前のように奢られる女子学生。ちょっと意外でした。。

クラスメイトは本当にビハール出身の子が多い!途中からUP vs ビハールのマウント争いが始まる。彼らのヒンディー語はめちゃくちゃ早いし、教科書で習うきれいな文からかけ離れた形で矢継ぎ早にじゃんじゃん単語が降ってくるので、今は聞いてるだけで精一杯。。。

おまけ。昨日はVasant panchmiの翌日だったので、サラスヴァティ神の像+スピーカーを装備した大音量車がじゃんじゃん走ってました。。大通りに近い家ということもあって、3-4台はウロウロしていたような。車について踊り狂う男たち。コロナは何処へ。。