MASAAN

第二波真っ只中のインドからナマステ。V字描いてんなーと思ってたら第一波を余裕で超えてきた。。。2月のあの落ち着きはなんだったんだ?!ワクチン接種も始まったしもしかしたら夏休みに旅行とかできるかもーなんて思ってたのに…コロナしぶとい。

昨日は同級生が陽性になり、今日は教授が陽性に。ホームステイ先の家族も、あの人もなったこの人もなったという話で持ちきり。昨日の新規感染者数、バラナシだけで1500人超えらしいので、こんなに多いのも納得がいく。

家賃払いに奔走した4/1以降、もう10日以上は家を出ていない。

最近の楽しみは、夜の9時過ぎに外出禁止令中の街中をそそくさ歩く人たちを眺めることと、ベランダで太陽を浴びることと、庭のお花の香りを嗅ぐこと。のどか〜。

どこかに行けるわけでもないし、大学の先生たちもやる気がなさそうなので、とりあえずバラナシについて描かれた本や映画を制覇していくことにする。

まずはネットフリックスで見られるMASAANから。邦題は『生と死と、その間にあるもの』。

あらすじ(ネタバレ)

バラナシのバラモン家庭で育ったデーヴィー(Richa Chadda)は、ほとんど面識のない男の子とホテルで肉体関係を持つが、警察に見つかってしまう。家族にバレるのを恐れて相手の男の子はその場で自殺するが、デーヴィーは捕まった場面の動画を撮られ、そのまま連行される。

デーヴィーの父親(Sanjay Mishra)が警察に呼ばれ、マスコミにバラさないよう懇願したところ、30万ルピーの賄賂を要求される。デーヴィーの父親はガンジス川のガート沿いで小さな商店を営んでおり、とても用意できる額ではなかったが、警察の脅しに負けてなんとか工面を試みた。デーヴィーはパソコン教室で働いていたが、ホテルでの一件が同僚の一人にバレてしまい、職場を転々とするようになる。ようやく見つかった鉄道会社の契約社員の仕事で、賄賂の足しを作ろうとし始める。デーヴィーは母親の死を巡って父親と長年のわだかまりがあり、それがこの事件をめぐって再燃しつつあった。

一方、ハリシュチャンドラガートで遺体の火葬をする家で育ち、大学でエンジニアの勉強をしつつ家業の手伝いをするディーパク・クマール(Vicky Kaushal)。バラモンの女の子に恋をし、格差を感じつつも2人は付き合い始める。ある日いつものように家業の手伝いを頼まれ火葬場に行くと、バス事故の犠牲者が大量に運ばれてくる。火葬場で処理をしていたら、それが彼女の遺体だということに気づく。

彼女のルビーの指輪を形見に拾うが、彼女の死を受け入れられないディーパクは指輪を川に投げ捨ててしまう。

ちょうどその時期、デーヴィーの父親は警察への賄賂集めに奔走していた。子分の男の子に素潜り大会に出場させ、優勝予想の博打でその男の子に大金を懸け、賄賂支払いに当てていた。ある日、その男の子は溺れて病院に運ばれ、デーヴィーの父親が掛けた大金が水の泡になってしまう。しかし、男の子は、ディーパクが捨てた指輪を拾い、その指輪を売り、賄賂の支払いが完了する。

デーヴィーはその後、アラハバードへ発ち、事件の際に一緒にホテルにいた男の子の両親の元を尋ねるが、追い出されてしまう。サンガムの近くで泣いていたデーヴィーがディーパクの目に止まり、2人はボートに乗る。

この映画、日本で見た時は途中で観るのをやめてしまっていた。バラナシの土地勘が多少ついてきたので、今回は楽しんで見れた。

馴染みのある地名がガンガン出てきてくる。学生同士のデートでアッシーのピザ屋はちょっと生意気だと思うけども…少なくともBHUヒンディー語科ではあり得ないな笑

デーヴィーが警察に捕まってどん底に突き落とされたところから始まるので、暗いトーンで話が進んでいく。ディーパクの恋愛模様にワクワクするかと思いきや、ディーパクの彼女が亡くなってしまうので再びどん底へ。インド警察の賄賂要求、デーヴィーの噂が広がる田舎の生きづらさ、カースト差別と家業へのコンプレックス、格差恋愛など、インドの闇がひたすら映し出される。

が、不謹慎ながら、夜ひたすら火葬をしているガートの絵が綺麗だった。。

ディーパクの彼女が詩を読み聞かせるシーンがすごく美しかった。特に、この詩の一節は、この2人の行方を予言しているかのようで、最後の結末まで知った上で改めて見ると深い。

मुसाफ़िर हैं हम भी मुसाफ़िर हो तुम भी 
किसी मोड़ पर फिर मुलाक़ात होगी -बशीर बद्र

バラナシという共通の舞台で二つのお話が同時に進んでいくので、デーヴィーとディーパクはきっとどこかで出会うんだろうなーと予想ができてしまうわけだけれど、2人が出会う前に一つの指輪でつながって、それをきっかけに色々と解決に向かう感じがスッキリ心地良かった🥳

Vicky Kaushalは誠実そうな役柄が似合いますな。Razi、Uri、Sanjuと見てきたけど、どれも個性が強くなくて良い。デーヴィー役の女の人は、Madam Chief Ministerのマーヤーヴァティーのイメージが強すぎた〜〜