1学期振り返り

今日はついに40度台突入。日本の夏の40度とは違って、日差しが暑いし風が吹くとめちゃ暑い!これがヒンディー語の授業で習ったलूなのかぁ、とちょっと嬉しい。

2学期が始まって既に1か月が経とうとしているけれど、ようやく1学期の成績が出て、全科目合格確定です!パチパチ~。

コロナ禍なので、授業もテストも全てオンライン。2月から対面開始だったのが、ヒンディー語科内の他コースの入学手続き遅れやら、ホーリーやらを理由にどんどん先延ばしに。そうこうしているうちに第二波到来、大学再閉鎖宣言(に近いもの)が発表され、周りのクラスメイトもどんどん村へ帰っていきました・・・。残りの1年半で対面授業を受けることはできるのでしょうか・・・?

留学準備をしていた時に色んな方のブログを見て参考にさせてもらったので、1学期振り返りをしつつ在籍コースについて書いてみたいと思います。出願時の記事はこちら↓

コースの雰囲気

私の在籍するMA Prayojanmoolak Hindi (Pattrkarita)は色んな専攻の子たちが人生に血迷って来る学科。私の代のクラスメイトたちの学部での専攻は、多い順に、ヒンディー語科、工学部、地理学科、マスメディア学科、政治学科といったところ。ほとんどがUP、ビハール出身。その他地域出身者は、ジャールカンド、西ベンガルが1人ずつ。シッキムっぽい名字の子が1人いるけど、授業に全く出ないので不明。留学生は私1人のみ(MA Hindiにはたまに留学生がくるが、このコースには滅多に来ないorもしかしたら私が初かもらしい。色んな意味で納得です。)。

定員は31人だけど、授業出席者は大体5人~13人程度。表向きはヒンディー語マスメディア学科だけど、みんながみんなマスコミ志望というわけでもないので、研究者の道を目指している子は5月にあるその道の試験の準備をしていたり、公務員志望の子たちはそっちに集中していたりという感じ。あとは通信設備の問題も実際にある模様。定期テスト:平常点の割合が7:3で、4割取れれば合格なので、授業に出なくても合格できるっちゃできるんでしょうね。

授業内容

授業は、月~土曜の週15-20コマ程度。先生が断固として時間割表を配らない(しれっとさぼりたいから)+コロナ長期休暇の影響を取り戻そうとして一部の熱心な先生が日曜まで授業をしていたので、正確なコマ数が分からない…。

1学期の授業は、「ヒンディー語文法」「標準ヒンディー語ができるまでの過程」「ヒンディー語の歴史」「インド憲法におけるヒンディー語の位置づけ」「経済自由化によるマスメディアへの影響」「独立運動期のヒンディー語メディアの役割」「新聞ができるまでの流れ」「マスコミでの働き方(リポーター、記者、編集者等のそれぞれの役割と心構え)」などがあった。

インド人向けの授業でヒンディー語文法?!という感じだが、意外と文法めちゃくちゃな学生が多くて(特にビハールの人・・・)、その上ヒンディー語の先生になりたい人も結構いるので、確かに教える必要があるのかもしれない。が、結局は学生のほとんどが退屈していて、かつ先生が問題を出して学生が答える方式だったので、一番真面目な学生と私だけがひたすら答えていることも結構あった。

ヒンディー語そのものについて深める授業は他にも結構あった。方言の分類だったり、ヒンディー語の専門用語を定める際の注意点だったり、ヒン英訳をする時の注意点だったり。ヒンディー語マスコミ学科とはいえ、教えている先生方のほとんどはヒンディー語畑まっしぐらでやってきて、マスコミのことは知らない人ばかりなので、BA Hindiとかで教えたことのあるものをそのまま流用してなんとか授業運営をしているというのが実情だと思う。留学生的には、新しい発見もあっておもしろかった。

1人だけジャーナリズムが専門の先生がいて、その先生の授業は面白かった。日本の大学教授に近い感じの人(必要以上に偉ぶったりせず、自分の経験を基に議論中心の面白い授業をしてくれる。)で、経済自由化をきっかけにインドの生活スタイルやマスコミが変わったさまだったり、緊急事態宣言の時の各社の報じ方を先生がベラベラしゃべり倒して、みんなも思ったことを好きなように話すスタイル。みんなこういう先生だったら良いのにと思うけれど、本をひたすら棒読みする先生や休講ばかりの先生がいるのも事実…。

他には、独立運動期のヒンディー語メディアに関する授業を担当していた先生の授業は、課題図書を基にディスカッションスタイルで授業が行われて、なぜか毎回私ばかり指されていた。。。日本人的にはマイナーな独立運動家や当時のマスコミ媒体の名前がじゃんじゃん出てきてついていくのが大変だった。英領期にインド諸言語で書かれた書物への取締法の数々だったり、独立運動を通じてインドでの共通語の必要性が認識されて、ヒンディー語憲法上に制定されるまでの過程を学べたのはためになった。

理解できたなと思っても、その上でちゃんと発言することは全く違うレベルが求められると痛感。ゆっくりたらたら話していると他の学生に被せられるし、質問しようと思っても「こんなくだらないこと聞いちゃダメかも…」といった幼少期から刷り込まれた日本人的思想に苛まれる。とはいえ、他の学生の質問の仕方も、それどうなのよ?!と思うことも多々あり。指定図書から適当な単語を拾って、「〇〇について教えてくださーい」とか。あと、先生の話は理解できても、他の学生のめちゃくちゃ訛りのある高速ヒンディー語が結構辛いので、なかなか議論にうまく乗れない。

もう一人忘れられない先生は、ボケたおじさん。出席者の名前を見て、「おやぁ、珍しい名前だねぇ、君はどこ出身なのかい?」「日本出身です。」「おぉーそうかぁー」というやり取りを何度もした。。。大丈夫かしら。。。一度クラスメイトの1人がミュートを忘れてクリケットを見ていたことがあったのだけど、「ミュートにしなさい!」というのすら聞いていない&先生がその学生を強制ミュートにする方法が分からず、先生の娘さんが登場したことがあった。「ほらーこの子はまだ6歳だけどもうスマホ完璧なんだよー」と先生もご満悦そうだった。

他には、本をひたすら棒読みするおじいちゃん、JNU大好きおばさん(学生からは、留保枠だからJNUに入れたくせにマウント取りすぎとか言われていてかわいそうだった)、学期中1回しか授業をしなかった長老(それも自己紹介して終了)、私にあたりの強かった先生(何故あたりが強かったのかは結局謎だが、課題出したあたりから態度が柔化した。)などがいた。

レポート課題

ロックダウンの時の長期休暇分を埋めるので精いっぱいということで、ちゃんとした提出課題はレポートのみでした。20枚くらい書いて提出。テストを超えた今となっては大したことないけど、当時は書き方が不安だったし、レポート期限がテスト直前だったので毎日追われている感じだった。詳細は以下のブログ参照。

オンラインテスト

そんなこんなで、シラバスの範囲が終わらないままテスト強行。今回は大学全体で方針が出され、オンライン実施&OBE(Open Book Examination=本やノートを見てOK)となりました。コロナの数少ない恩恵…。

テストの数日前に、mock examが実施され、みんな一斉に動作確認。ここで私のスマホではログインできないことが発覚し、手書きで答案を書く→スマホでスキャン+PDF化→gmailで送る→パソコンでファイルをアップロードという面倒い手続きが確定。。。

テストは、4時間半×4科目のテストを、1日おきに行うスタイル(オフラインであれば、1科目3時間らしい。)。

こんな感じで、どん!と問題が出てきて緊張が走る。

一問につき最低A4 3枚×4問かつ完全論述式。例によってとにかく描きまくる…。途中野菜売りの声がうるさかったり(これは想定内)、でっかい蜂みたいなのが部屋に入ってきたり、あと1番焦ったのは解答用紙アップロードしようとしてたときに停電したり😥

問題文が一行しかないから、聞いてる内容はこれであってるかな?とか、ちゃんとポイント抑えられてるかな?的な不安がつきまとう。この頃はニート息子が向かいの部屋で昼過ぎまでグウグウ寝てたので、叩き起こして代わりに書かせたらどんなに楽だろうか…と思いつつもグッと堪えて一人で耐える。ぶっ通しで書きまくった後は精魂尽き果てたという感じ。なんとか終わって本当によかった。

ただでさえカンニングが横行するインドですが、オンライン形式だったのでみんなやりたい放題だった模様。友達からは、「大学構内でみんなで協力しながら解こうや」というカンニングの誘いが来るし(大学構内でやるんかい!)、体調崩した女の子(クラスのアイドル)の代わりにそのファンの男たちがみんなで答案を完成させたり(筆跡でバレて問題にならないのが逆にすごい)、教授や学生みんなが入ってるwhatsappグループで解き終わった子たちが堂々と雑談を始めたり…。他学部では、何年も落ちまくってた子がオンラインテストのおかげで初めて試験クリアしたとか、そういう話も聞いた。対面授業再開を希望しつつも、試験はオンラインであってほしい!とみんな願ってます(もちろん私も)。

コースのメリット

・全部ヒンディー語で勉強できる→速読力とリスニング、心を無にして早くヒンディー語を書く力(卒業したら全く役に立たんがw)は確実に身につく。

・普通のMA Hindiとは異なり、文学には入り過ぎずに、政治や歴史などをヒンディー語で学べる(Prayojanmoolak Hindiというコースは、他の大学にもたまーにあるようだが、そもそも母数が少なく、マイナーな大学が結構多い印象。)

・外国と縁がない純インド人学生と並んで勉強ができる。彼らから聞くカーストや留保制度への不満、結婚観、就活への不安などの話は興味深いし、色々と考えるきっかけになる。

・年齢層は意外と広い(BA終えてそのまま20歳で入ってくる子もいれば、他でMAやったり公務員試験勉強期間を挟んだりして入って、20代半ばから20代後半という子も)。

本コースのデメリット

・くだらない理論の繰り返しにうんざりする(インドの大学に行く限りどこも同じようなもんなのかも?)。今回はオンラインテストだったから免れたけど、普通にテストする場合には、死ぬほどくだらない話を丸暗記する羽目になる。

・大半の先生がやる気ない(これも全インド共通?)

・周りの学生は、海外はおろかUPビハールの外に関して全く興味がない。将来仕事関係で会ったりということはなさそう…。

・マスコミ志望者が意外と少ない。マスコミの卵みたいな人たちと勉強できると思って入ったので、これは結構残念でした。。。

・授業のヒンディー語は鬼shuddh Hindiオンリーなので、ヒンディー語会話や英語は他所でカバーする必要あり。

・世界的に通用する学問ではないので、その後の希望進路によってはあまり良くない選択になるかもしれない。Prayojanmoolak Hindiという専攻は良くも悪くも学際的で、ヒンディー語をベースにしつつ、インドの歴史政治憲法、ヒン英翻訳などを広く勉強するので、何やってるのかよく分からない学科だと思う。インド人ですら、何その学科?という感じの反応をするレベル。修士取ってJPOに挑戦したいとか、インドで通用する学歴をとって成功したいとか、そういう人はもっと名高い学部に行った方が良いと思われ。

・論文なし&詰め込み学習スタイルで、20-22才の子たちが通うところなので、日本や諸先進国の修士課程に比べたら中身のレベルは劣ると思う(他の大学やコースは違うのかもしれないけれど、少なくともこのコースではよく感じる。)。

今月から始まった2学期はゆるーい先生たちが集まっちゃった感じですが、自分で雑誌新聞を作る課題があるので楽しい。本来であれば2週間のマスコミインターンがあるのですが、この第二波の感じだと怪しいかもなあ。

雑誌・新聞課題は、日本をテーマに、オリンピック・日米豪印・コロナあたりを柱にして書こうと思っています。社説的なものを入れなきゃいけないのですが、「オリンピック-浮き彫りになる日本のジェンダー問題-」みたいな内容ばっかり浮かぶのが悩みどころ。誰か私に明るいニュースをくれ〜